新抗凝固薬の周術期管理:新薬と概念

Jerrold H. Levy, MD, FAHA, FCCM; Pierre Albaladejo, MD; Charles-Marc Samama MD, PhD; Beverley Hunt, MD; Alex C Spyropoulos, MD; James Douketis, MD, FRCPC

2017年6月号より:

Levy JH, Albaladejo P, Samama CM他新抗凝固薬の周術期管理:新薬と概念 APSF ニュースレター2017;32:1-6.

図表はすべて、Wolter Kluwersからの許可を得て日本語で再掲載されています。

序論

許可の下、再制作。Levy JH, Key NS, Azran MS.Novel oral anticoagulants: implications in the perioperative setting. Anesthesiology 2010;113:728. 図1. 凝固カスケードTF = 組織因子; PL =リン脂質

直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOACs)の利用が増加しており、臨床医や患者の静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)の治療用ワルファリンの利用に代わる代替薬となり、心房細動患者の脳血管塞栓性脳卒中の予防、手術を受ける患者の血栓症予防にも有効です。4種類のDOACsが現在ほとんどの国で承認されており、抗凝固薬管理の新薬概念に追加されています。しかし、供給者は待機、緊急手術の両方においてこれらの薬剤を服用している患者に関する周術期管理戦略を認識する必要があります。現在、特定の拮抗薬であるイダルシズマブはダビガトランに有効であり、現在アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバンの拮抗薬の臨床試験が行われています。このレビューでは国際的な専門家グループが待機的手術及び侵襲的処置において、いつこれらの薬物を投与停止するべきか、またこれらの抗凝血作用を評価、モニタリングする方法、DOAC治療の一時停止に関する現在の手順や、特定のDOAC拮抗薬の使用などの周術期管理の戦略を再検討します。

現在利用可能な直接経口抗凝固薬

現在利用可能な非ビタミンK DOACsには直接トロンビン阻害剤であるダビガトランエテキシラート(プラザキサ®、Boehringer-Ingelheim Pharma)、直接第Xa因子阻害剤であるリバーロキサバン(イグザレルト®、Johnson and Johnson/Bayer HealthCare)、アピキサバン(エリキュース®、Bristol Myers Squibb/Pfizer)、エドキサバン(サベイサ®、第一三共)などがあります。DOACsの利点には作用発現が早く経口投与後2〜4時間で最高効果が得られる、また予測可能な抗凝固剤/薬力学的効果、最小の薬物相互効果、日常的な検査室のモニタリングが不要であるなどが挙げられます。各薬剤の個別使用は、現時点での承認状況、薬剤の表示、利用可能であるか、その国で承認されている投与計画などの複数の要因に依ります。注目すべき点は、これらの薬剤に関するレビューが複数存在し、文献数も増加していることです。1-3

複数の文献の中でも一貫して重要な点の一つがワルファリンと比較してDOACsは頭蓋内出血リスクが低く、またその他の種類の出血リスクも低いということです。4 ビタミンK拮抗薬であるワルファリンは凝固因子II, VII, IX, Xの循環レベルを下げることで抗凝固効果を発します。5 ビタミンKは論理上拮抗物質ですが `この作用は即時的ではなく、INRを戻すのには時間がかかります。十分なレベルの機能的凝固因子を回復させるには、24〜72時間かかります。一方でDOACsは、トロンビン及び第Xa因子、または低分子量ヘパリン (low-molecular-weight heparin:LMWH)、ヘパリン、及び他の直接トロンビン阻害剤(例:ビバリルジン、アルガトロバン)のような一般的に使用される他の非経口凝固剤と同様の薬理学的効果を持つ止血カスケード内の2つの重要なターゲットに作用する可逆的直接薬理学的阻害剤です。3

一般にDOACsは出血リスクが低いですが、6-8周術期の抗凝固剤管理は困難です。それは全ての抗凝固剤が出血を引き起こす可能性があるからです。9 ワルファリンと比較して安全ではありますが、DOACsを服薬する患者の周術期管理の戦略には特別な配慮が必要です。最近の国際的な調査によると、DOACsで治療を受けた患者の周術期管理に関する医師の知識が限られていることがわかりました。10 DOACを投与された患者の治療介入評価には、最新のDOAC投与タイミング、排泄時間に影響を及ぼす腎機能、中断タイミングに影響を及ぼす治療に関連した出血リスクの記録が含まれるべきです。標準的な凝固スクリーニング検査(リバーロキサバンのプロトロンビン時間[prothrombin time, PT] 、ダビガトランの活性化部分トロンボプラスチン時間[activated partial thromboplastin time: aPTT])はDOACsの抗凝固効果が残留している場合に、定性的評価をもたらす可能性がありますが、DOACsは抗凝固レベルを正確に測定するためには特定の凝固検査(例:ダビガトランの希釈トロンビン時間、経口Xa阻害剤の抗Xaレベル)を行う必要があります。

専門学会は手術及びその他の侵襲的治療を必要とする抗凝固処置を受けた患者の止血を促進するために、患者管理に関する一般的な推奨事項を挙げています。これには待機的治療に関する一般的な投薬中止規則(低出血リスク治療の場合は24時間以上、正常腎機能患者における高出血リスク手術では48時間以上)などが該当します。一般的にLMWHへの変更は、DOACの効果減衰と発現が迅速であるため周術期のDOAC中断中には必要ありません。2

許可の下、再制作。Levy JH, Key NS, Azran MS. Novel oral anticoagulants: implications in the perioperative setting. Anesthesiology 2010;113:728. 図2.アンチトロンビン依存性結合(A) を介した確立された抗凝固剤(未分画ヘパリン[UFH]、低分子量ヘパリン[LMWH]、フォンダパリヌクス)とアンチトロンビン非依存性結合(B)を介した新抗凝固剤(リバーロキサバン、アピキサバン、ダビガトラン エテキシラート)の作用の主要メカニズム。UFHはアンチトロンビンを介してXa、IXa、XIa、およびXII因子も不活性化しますが、トロンビンの不活性化よりも程度は低いです。LMWHはまたアンチトロンビンを介してトロンビンを不活性化しますが、第Xa因子の不活性化よりも程度は低いです。AT = アンチトロンビン

DOACS治療を受けている患者の術前管理

DOACで治療を受けている患者の術前管理における具体的な考慮事項には、特定薬物の薬物動態、腎機能、手術が救急的介入を必要とするか、またはその手術が待機的であるかに関する特定の考慮事項、また個々の手術治療による血栓症や出血の特定のリスクなどがあります。ダビガトランの特定解毒剤としてのイダルシズマブの利用可能性に基づいて、緊急及び早急な手術的もしくは治療的介入を患者が必要とする場合にも容易に管理することが可能です。経口Xa阻害剤に対するその他の拮抗戦略は研究中ですが、そのうちのいずれに関しても緊急治療介入が必要な患者を対象とする研究は現在行われていません。その他の可能性のある適応外治療が評価され、その後検討されます。

ダビガトラン エテキシラートは唯一の経口直接トロンビン阻害剤です。ダビガトランは腸内での吸収を可能にするためにカプセル化されたプロドラッグであり、その主要代謝機構は腎排泄(~80%)です。アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバンは直接第Xa因子阻害剤であり、主に肝代謝されます(~65–70%)。臨床医は患者の腎機能が低下していない限り、ほとんどの患者におけるDOACs半減期はおおよそ12時間であるとみなすべきです。ダビガトランの排泄は腎機能に最も依存しており、また術前の投与中止はCockcroft-Gault式により計算されたクレアチンクリアランス(CrCl)に基づいて行われるべきです。11,12 重度の腎不全がない限り、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンにおいて腎機能はあまり問題ではありません。13

DOACで治療を受けている患者の周術期管理に関しては複数の推奨事項がありますが、そのような事項は計画的に標準化された管理手順が未だに開発中であり、また特定の薬物推奨に基づいていることを考慮すると、治療ガイダンスステートメント的なものとみなされるべきです。2,14,15 これらの推奨事項は国際的な医師団体によるものですが、その多くが本稿の著者です。局所麻酔前の抗凝固剤中断に関しては米国区域麻酔学会(the American Society for Regional Anesthesia:ASRA)ガイドラインを 是非参照してください。 (https://www.asra.com/advisory-guidelines/article/1/anticoagulation-3rd-edition)

一般的に管理は治療に関連した出血リスクに基づいています。前向き検証試験が必要ではありますが、待機的で出血リスクが最小である治療はDOAC中断(例、軽度の歯科治療、白内障手術、ペースメーカー移植、皮膚生検)なしに安全に行われる傾向にあります。他の治療は低出血リスク (例、腹腔鏡下胆嚢摘出術、ヘルニア修復術)及び高出血リスク(例、心血管、頭蓋内及び脊椎手術、癌の大手術、脊椎麻酔及び硬膜外麻酔を伴う手術)に分類されます。

欧州麻酔科学会議と周術期の止血に関するフランスワーキンググループ(the French Working Group on Perioperative Haemostasis:GIHP)は、待機的低出血リスク手術(非局所麻酔関連)の前には24時間内(2〜3半減期)のDOAC治療の中断を、また中程度及び高出血リスク治療前には5日間の中断を推奨しています。これらの推奨事項はまた、患者の腎機能も考慮されています。16,17欧州不整脈学会の待機的手術におけるDOAC使用ガイドラインでは、低リスク治療で24時間以上、また高リスク手術では48時間以上の薬物投与中断が示唆されています。しかし、ダビガトランのCrCl <80 mL/minまた経口第Xa因子阻害剤のCrCl 15 to 30 mL/minの患者にはより長期間の薬物投与中断間隔が必要であると示唆されています。2,18 他の専門家による合意文書では特定のDOAC、腎機能、治療上の出血リスクに基づいて、24〜48時間の薬物投与中断間隔が推奨されています。19,20 しかし、やはり最近の勧告や臨床試験にて指摘されているようにLMWHと経口抗凝固剤の術前のブリッジングについては注意が必要であると考えられます。20,21

DOAC治療を受けている患者における、標準化された周術期管理手順評価について更なる研究が行われています。19,22 DOACs治療を受けており、外傷や他の緊急事態により緊急手術及びその他の治療介入が必要である患者の管理は、引き続き議論される管理戦略の更なる発展に伴い進化し続けています。

DOACsの抗凝固測定

DOACの主な利点の一つは、予測可能な薬力学的特性、薬物動態学的特性のため日常的な抗凝固モニタリングが現在必要でないということです。しかし、緊急の外傷後、及び緊急手術や緊急治療介入を必要とする患者においては抗凝固モニタリングが有効である場合があります。23,24 臨床医が結果に対して可能性のある解釈や管理を導き出す際に得るべきその他の重要な情報には、抗凝固剤の最終投与日、患者の腎機能、潜在的な抗血小板療法を含む他の考えられる併用薬剤投与の履歴が挙げられます。23

ダビガトランで治療を受けている患者に対し、潜在的な影響を測定するために標準的凝固検査を行う可能性もあります。aPTT検査はダビガトランによる潜在的な抗凝固作用を測定するのに有効なスクリーニング検査であり、報告されているようにaPTT の延長は抗凝固効果と一致しています。(http://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/
NEJMoa1502000/suppl_file/nejmoa1502000_appendix.pdf)。しかし、aPTTが正常であっても残留抗凝固効果は除外できません。トロンビン時間及あるいは釈トロンビン時間が正常であればダビガトランの抗凝固作用を除外できます。また、希釈トロンビン時間ではダビガトランの抗凝固作用に関してより信頼性がある正確な測定値が得られます。この検査は現在FDAにより明確にはされていませんが、専門の医療機関でのみ受ける事が可能です。25,26 欧州ではダビガトラン治療を受けている患者の抗凝固作用の評価方法としてHemoclot® thrombin inhibitor assay(Hyphen BioMed, Neuville-sur-Oise, France)が推奨されています。27 また欧州ではダビガトラン治療を受けている患者の抗凝固作用の評価に、専門の医療機関にてエカリン凝固時間(ECT)検査が一般的に行われています。28

DOAC療法の主流としての使用が増加しているにも関わらず、抗第Xa因子「キサバン」薬剤のモニタリングや効果の評価はより複雑です。INRはビタミンK拮抗物質による抗凝固作用をモニターするために日常的に使用されていますが、信頼性に乏しくDOACsの抗凝固作用を評価するための特効的な検査ではありません。25 外傷及び大手術後は、複数の理由により患者は日常的にPTが延長していますので、PTは特にアピキサバンのような第Xa阻害剤の抗凝固作用の非感受性検査です。29-31 濃度値が必要であれば、低分子ヘパリン濃度測定に使用されるものと同様の特定薬物測定第Xa因子検査が一部の医療機関で利用可能です。 「キサバン」系薬物のこれらの定量的となりうる測定は抗第Xa因子ユニットで校正され、リバーロキサバンやアピキサバン 32,33 エドキサバン34 で報告が上がっています。しかし、これらの検査は広域で利用可能というわけではなく、各薬剤に対し特定の校正が必要であり専門機関外においては緊急で利用可能であることは稀です。25,31 各DOACに対し現在利用可能である様々な抗凝固検査は表1に掲載されています。

表1. 直接経口抗凝固剤活性のモニタリングのための検査1,2


薬剤
定量的検査
(抗凝固剤レベルの推定値を測定)
定性的検査
(薬物影響の有無を調査)
非推奨事項
直接第Xa因子阻害剤 (アピキ
サバン/リバーロキサバン/エ
ドキサバン)
特定の較正抗第Xa因子検査 現在利用不可 プロトロンビン時間(用量関連性の延長の可能性があるリバーロキサバンを除く)、活性化部分トロンボプラスチン時間、希釈トロンビン時間、トロンビン時間検査、活性化凝固時間評価のようなヘパリン特異的検査
直接トロンビン阻害剤(ダビガトラン) 希釈トロンビン時間検査(米国の一部の専門医療機関で利用可能)、エカリン凝固時間(米国では利用不可) 活性化部分トロンボプラスチン時間、トロンビン時間 発色性抗第Xa因子検査、活性化凝固時間検査のようなヘパリン特異評価

経口抗凝固剤の中断と 抗凝固剤間のブリッジング/切り替え

ワルファリン抗凝固療法を受けている患者の周術期及び術前管理に関する以前に報告されたガイドラインには、ワルファリン投与の中断、また血栓塞栓症リスクの高い心房細動患者へのブリッジングとしてLWMH及び未分画ヘパリン使用をもっての投薬続行についてなどがあります。35,36 治療介入と侵襲的治療を続行可能にする抗凝固のブリッジングに関するより最新のデータは疑問視されています。37,38 米国神経学会のガイドラインでは、ヘパリンブリッジング療法はワルファリン投与中断と比較して出血リスクの上昇と関連していると報告されています。39 心房細動患者に関する大規模、無作為化された研究はDouketis 医学士 とその他の研究者によって報告されています。 2015年にはブリッジ研究者によると、待機的手術及びその他の待機的及び侵襲的治療によりワルファリン治療が中断された場合、LMWHブリッジングなしでのワルファリン投与中断は動脈血栓塞栓症のブリッジング療法に対して非劣勢であり、また治療後の重度及び軽度の出血の大幅な減少と関連していることがわかりました。21

DOACsで抗凝固療法を受けている患者の場合、現在入手可能なデータは限られているためDOAC中断中の周術期LMWHブリッジングは治療上の利益をもたらさず、重大な出血リスクを増大させる可能性もあります。最近のRE-LY試験データのサブ解析によると、ブリッジング療法を受けていない患者と比較して、待機的治療のため治療中断を受けたダビガトラン治療患者にはブリッジング療法を受けることでより大きな出血がみられ、また動脈血栓塞栓症に対し効果はあまりみられませんでした。40 その結果、侵襲的及び外科的治療が行われる約24〜48時間前の短期間の抗凝固療法中断におけるブリッジング療法は意味を成しません。28 アピキサバンに関しても同様のガイダンスと推奨がなされています。41,42 アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバンでの治療は侵襲的及び低リスクの外科治療の場合には少なくとも24時間前には中断されるべきですが、出血リスクが中〜高レベルの治療の場合にはより長期間の中断が必要となる可能性があります。特にペースメーカーや除細動器移植などの特定の治療が、DOACの投薬中断なしに行うことが可能であるかどうかという点に対し継続的な関心が寄せられています。BRUISE CONTROL-2のような現在行われている無作為化比較試験では、そのような患者にとって最適な治療の発見が期待されています。43

特定薬剤を用いたDOAC誘発性抗凝固作用に対する拮抗

抗凝固療法を受けた患者が緊急手術及び外傷を受けた場合、DOAC及びワルファリンで治療を受けていた患者において出血が予想され、またこれは周術期の医療提供者間でも恐れられているリスクでもあります。そのため全てのDOACsに対し、特定の中和剤の開発が進められています。

ダビガトラン治療を受けている患者用に特定の中和剤であるイダルシズマブが、重篤な出血や緊急手術/治療にダビガトランの中和剤として現在多くの国で承認されています。イダルシズマブはダビガトランに選択的に結合し、ダビガトラン誘発性の抗凝固作用に拮抗するヒト化モノクローナル抗体です。REVERSE-AD試験において、イダルシズマブは重大な出血が起こった患者及び緊急の侵襲的治療(8時間以内)の必要があった患者におけるダビガトランの抗凝固作用を拮抗しました。44,45 静注投与でイダルシズマブによる拮抗は即効性で少なくとも24時間は継続します。イダルシズマブは緊急手術や緊急治療が必要である場合、または生命を脅かす、コントロール不可の出血時のためにダビガトラン関連抗凝固作用の拮抗を目的に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)により2015年に承認されました。46 米国心臓協会によると5gのイダルシズマブ投与が生命を脅かす緊急事態に陥ったダビガトランを服薬している重篤な高齢者の82〜99%において、ダビガトランの作用を素早く完璧に拮抗したことが報告され、また術中の止血に関しては外科医により93%の外科的/治療を受けた患者において「正常」であったと判断されました。この試験には高リスク患者集団における多数の整形外科、外科、またその他の治療を受けている複雑で重篤な患者がおおよそ200人含まれています。47

アンデキサネットアルファはアピキサバン、エドキサバン、リバーロキサバン、フォンダパリヌクス、そしてエノキサパリンのような低分子量ヘパリンの緊急中和用の特定中和剤として第Ⅲ相臨床試験中です。48,49 これまで外科患者における抗凝固作用の中和についてアンデキサネットアルファの試験は行われていないということを認識しておくことは重要です。アンデキサネットアルファは遺伝子組換えヒト第Xa因子デコイタンパク質です。アンデキサネットアルファは循環第Xa因子阻害剤に結合することによって、内因性第Xa因子が凝固カスケードに寄与することを可能にします。49,50またシラパランタグは第Xa因子阻害剤と低分子量ヘパリンに対する中和剤として早期評価における別薬剤でしたが現在は利用できません。51,52

現在DOAC治療を受けている患者が第Xa因子阻害剤を受け緊急手術及び治療介入を受ける場合には管理戦略が必要です。症例報告、インビトロ試験、ボランティアから得られたデータの増加は、プロトロンビン複合体濃縮製剤(prothrombin complex concentrates:PCCs)がDOACsを阻害する能力の有効性について示唆しています。51-53DOACsでの治療を受けている出血患者あるいは緊急治療を要する患者をPCCsあるいは可能性のある薬剤で中和した時の予後を評価するため、少なくとも一つの登録研究が行われています。先述した通り、患者が出血し第Xa因子阻害剤を服用した緊急事態において、第Xa因子阻害剤の治療効果及び薬物濃度の測定を迅速に行う能力にえるのには限りがあります。

注目すべき研究の一つに、60mgのエドキサバンの単回投与を受けた健康な被験者における5mmパンチ生検があります。著者らは4因子プロトロンビナーゼ複合体製剤(four factor-prothrombinanse complex concentrate, 4F-PCC)が、4F-PCCを用量50IU/kgで投与した場合に出血時間、出血量、トロンビン生成、抗凝固療法前の基準値レベルに対する正規化値に対してエドキサバンの作用に用量依存型拮抗を示すことを指摘しました。53 しかし、PTは部分的にしか中和されておらず、またこれは第Xa因子阻害剤のPCCによる中和全てにおいて一貫した所見でもあります。抗凝固剤の中和試験を受けたボランティアでは安全性の問題、血栓症の発現はありませんでした。注目すべきは、これが4因子PCCを用いたDOAC拮抗に関連した特定の出血パラメータを評価する唯一の試験だということです。53

概要:

DOACsは患者の抗凝固療法に対し更なる重要な治療アプローチを提供しています。前述の通り、利点には予測可能な薬物動態、日常的なモニタリングが必要でない点、出血リスクが全体的に低い点、また FDAの承認を得た複数の試験において指摘されているように結果が改善された点などがあります。全ての抗凝固剤について言えることですが、出血リスクの高い患者における高リスク外科治療の際には薬剤投与を中断すべきであり、また全ての薬剤に関して腎機能を考慮する必要があります。待機的外科介入においてモニタリングが使用されることがありますが、緊急時には緊急手術の利用可能性と必要性が重要な考慮事項となります。ダビガトランに対し特定の中和剤であるイダルシズマブは多数の外科的患者において研究が行われています。「キサバン」系薬剤に関しては現在特定の中和に利用可能な承認薬剤はなく、アンデキサネットの外科的患者における試験はまだ行われていません。そのため医師は代替の治療アプローチを必要としており、またプロトロンビン複合体濃縮製剤の保険適応外使用も報告されていますが全ての凝血促進剤は血栓リスクをもたらします。とはいえ、医師達は外科的患者における緊急処置、または出血に対処する際の治療アプローチを必要としているのです。出血している患者の管理に対して行われる止血、血流動態サポート、また生命を脅かすほどの出血時には大量輸血手順を使用するなどの標準的アプローチが常に考慮される必要があります。


Jerrold H. Levy is Professor in the Department of Anesthesiology and Intensive Care, Duke University School of Medicine, Durham, NC.

Pierre Albaladejo is Professor in the Department of Anesthesiology and Intensive Care Medicine, Grenoble University Hospital, Grenoble, France.

Charles-Marc Samama is Professor in the Department of Anesthesiology and Intensive Care Medicine, Assistance Publique-Hôpitaux de Paris, Cochin University Hospital, Paris, France.

Beverley Hunt is Professor at the Thrombosis & Haemophilia Centre, Guy’s & St Thomas’ NHS Foundation Trust, London, England.

Alex C Spyropoulos is Professor in the Department of Medicine, Northwell Health Systems at Lenox Hill Hospital, New York, NY, US.

James Douketis is Professor in the Department of Medicine, McMaster University, Canada.


Disclosures:
J Levy: Scientific Advisory Boards: Bayer, Boehringer-Ingelheim, CSL Behring, Grifols, Instrumentation Laboratories, Jiangsu Singchn, Janssen, Leading Biosciences, and Pfizer.

P Abaladejo: Scientific Advisory Boards: Octapharma, CSL Behring, LFB, Bayer, Boehringer-Ingelheim, CSL Behring, Sanofi, BMS-Pfizer, Daichii-Sankyo. Research support Boehringer-Ingelheim and Portola.

CM Samama: Scientific Advisory Boards: AstraZeneca, Bayer, BMS, Boehringer-Ingelheim, Daichii-Sankyo, Fresenius-Kabi, GSK, Haemonetics, Lilly, Pfizer, Roche, Sanofi; Research support: Bayer, BMS, Boehringer-Ingelheim, LFB, GSK, Haemonetics, Sanofi.

B Hunt: none

A Spyropoulos: Scientific Advisory Boards: Bayer, Janssen, Pfizer, Daiichi-Sankyo, Boehringer Ingelheim, Sanofi, Consultant: Boehringer Ingelheim, Bristol Myers Squibb, Pfizer, Janssen, and Daiichi Sankyo.

J Douketis: Scientific Advisory Boards/Education: Astra-Zeneca, Bayer, Boehringer-Ingelheim, Bristol-Myers-Squibb, Leo Pharma, Pfizer, Sanofi. Consultant: Janssen.


この記事は編集者及びAPSFの意見は反映していません。提供している情報は安全関連の教育目的であり、医学的、法的助言を構成するものではありません。この内容は教育及び討議目的のため提供されており、APSFの助言、意見は含まれていません。特定の医学的及び法的助言の提供、または特定の見解や勧告の推奨はAPSFの意図ではありません。APSFは情報の信頼性に起因する、またはそれに関して生じたと考えられる損害について、いかなる場合にも直接的及び間接的に責任を負わないものとします。


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