最終更新:2020年4月13日
免責事項:本ガイドラインは、手術室内で麻酔器を短時間使用した経験を持つ、臨床医の最善案、判断に基づいて作成されました。ガイドラインは、集中治療人工呼吸治療に、長期的に麻酔器を使用した経験に基づき、頻繁に更新されています。この中に提供されている情報や資料は、情報提供および教育的な目的に対してのみ提供されており、標準治療の確立、もしくは、医学的または法的アドバイスを提供することを目的としているものではありません。必ず、自身の所属する機関および指導医/法律顧問に相談することを忘れないでください。
このマスク不足の時期において、N95マスクの再利用について関心とニーズが高まっていることを、APSFは理解しています。さまざまな洗浄および除染プロセスが報告されています。CDCは、N95マスクの短期および長期的な再利用に関するガイダンスを提供しています (https://www.cdc.gov/niosh/topics/hcwcontrols/recommendedguidanceextuse.html)。
N95マスクからコロナウイルスを減らすか除去できる可能性があります。N95マスクからコロナウイルスを除染する文書化済みの方法3つには、熱風および/または室内の空気乾燥、紫外線、過酸化水素蒸気の処理があります。
これら処理によっては、SARS-CoV-2を完全に除染できる一方で、N95マスクを通した濾過/適合特性に悪影響を及ぼさないかどうかについては、まだ議論されています。本背景の参考情報として、一般的N95マスクの主要製造元である3Mより、2020年3月20日に発表された「フィルター式フェイスマスクの消毒」に関する公式声明の参照をご紹介しています。
- テネシー大学(University of Tennessee)の名誉教授であり、N95マスクで使用されるフィルターの発明者であるPeter Tsai氏は、COVIDパンデミック時にN95マスクを再利用する方法についての洞察を示しています (https://utrf.tennessee.edu/information-faqs-performance-protection-sterilization-of-masks-against-covid-19/)直接汚染されていない使用済みマスクを、熱風(70°Cまたは160°Fの熱風で30分間)で、または室内気で3日間乾燥させると、コロナウイルスが死滅し、マスクを再利用できる場合があるとされます。留意点:CDCは、N95マスクの乾燥と除染のために熱風(オーブン等)を用いる方法についてはサポートしていません。乾燥加熱プロセスは、N95マスクのウイルス濾過機能を低下させる可能性があることを示唆しています (https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/ppe-strategy/decontamination-reuse-respirators.html)
- Duke University は、過酸化水素蒸気を使用することで、市販のN95マスクの除染に成功するということを発見しました。当大学は、現在のCOVIDパンデミックを考えると、N95の利用節約と再利用の実践は重要であるものの必要となる需要数に対して十分な対策ではないと考えており、過酸化水素蒸気を用いた除染後の再利用を大規模に開始する予定です。
- FDAは、この技術を用いてN95マスクの汚染除去することを、米国企業2社に対して承認しました。
- いくつかの報告では、紫外線(suggest that ultraviolet, UV)殺菌照射によりN95マスクからコロナウイルスが減少または排除されることが示唆されています。これらのレポート例は、以下でご覧頂けます:
- 「N95マスクの濾過性能と構造的完全性に対する紫外線殺菌照射(UVGI)の影響」: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25806411
- 「インフルエンザで汚染されたN95フィルター式フェイスマスクの紫外線殺菌照射」: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29678452
- 除染と再利用のためのN95フィルター式フェイスマスク紫外線殺菌照射(UVGI)手順: https://www.nebraskamed.com/sites/default/files/documents/covid-19/n-95-decon-process.pdf
- N95マスクの大手製造元である3Mは、これらの手順のいずれかが、マスクの濾過/フィット機能に損傷を与える可能性があるとの懸念を表明しています。
- フィルター式フェイスマスクの消毒[PDF]